ロンドン:2日、2週間、2ヶ月と2週間。
英語
2日
店員さん: "Do you need a bag?"
自分 :(今なんて言った???)
2週間
One Note:無言で赤い波線を付け続ける
自分:(語彙!!!!!!脳に外付けSDで英語語彙注入してえ!!!)
2ヶ月と2週間
任意のグループ:愉快な会話
自分: ".......(何か言っても無視される)"(英語力ちゃうわ。普通のコミュ力足りないんだわ。カプセルかなんか飲んで人間並みのコミュ力注入してえ。)
ごはん
2日
ママ😢 ママのご飯😢
2週間
イギリス料理はくそ!baked beans って何!?bakedじゃないやろ、缶詰の大豆のケチャップ煮だろう!!!ふにょふにょしてるソーセジきもい!芋食いすぎ!茹で芋、焼き芋、揚げ芋、全部じゃがいもだからな、料理じゃないからな!!!ショートブレッド甘いのかしょっぱいのか分からない!移民料理を食べよう!
2ヶ月と2週間
明日、朝ごはんにbaked beans と hash brown出る日だ!やったぁ!ブリティッシュブレックファーストほんと好き!!!(1枚85kcalのショートブレッド3枚を23:00に食べながら)(だがしかしママの手料理の夢を見る)
コーヒー
2日
カフェ多い!コーヒーのカップ持ちながら歩いてる人多くてかっこいいなぁ!
2週間
なんでコーヒー450円もするんだよ、みんな金持ちかよ、いや金持ちだよ。
2ヶ月と2週間
こんなに寒いのにお風呂浸からないんだからコーヒーに課金するしかないよな。コーヒー、紅茶、全くいつまで大英帝国なんだろうか。
信号
2日
え??? 赤信号で車道渡るん???
2週間
私はロンドン人よ。あたふたしてる観光客に率先して赤信号を渡るわ。タイミングは体感でわかるの。
2ヶ月と2週間
(何も思わないし周りが渡り始めたら一緒に渡る)(こないだのプレゼンで、信号無視するロンドン人をジョークにして笑いが取れたので感謝)
私はあの日々を忘れない。
日本を出発する直前に、同じ大学に留学した先輩2人とお話する機会があった。
2人とも口を揃えて、
「留学は人生で一番楽しい1年になるから!」「ロンドンに帰りたい!」
と言っていた。
渡英して2ヶ月と2週間経って、半年後に後輩に同じセリフを言っている自分を、ありありと想像できるようになった。お金の心配もなく、好きなことを勉強して、ちょうどいい自由と刺激を感じられる毎日。あと半年でこの生活が終わる、というタイムリミットが日々をいきいきとしたものにしてくれる。
例によって、一緒に留学している同期と比べても「アジア人」以外と全く仲良くできない日々が続いてるけど、もう麻痺して気にしなくなってきた。渡英して3日目に、家から徒歩圏の大きな公園に1人で行って、「自分で自分を楽しませることがミソだな」と思った。渡英して1ヶ月半で生まれて初めて1人旅をして、留学生活は364泊365日の1人旅のようだな、と感じた。
いろんなグループの会話に全くうまく入っていけなくても「別にこれは苦手なことだからいい」と思うようになった。行きたいところがあったら、片っ端から知り合いにメッセージを送って誘って、無視されても気にしなくなった。日本だったら、まずもってできなかったことだ。「友達なんて案外みんな適当に選んでいて、気が合うとか合わないとか考えていない」というネットで見つけた一文が心の支えになっている。
クリスマス休暇、2月の中間休み、イースター休暇、それぞれに旅行の計画がたった。
エッセイが授業で褒められた。
「ほんとに楽しかった!!!留学迷ってるなら行きなよ!!!」
私は帰国したら何回そう言うんだろう?
でも忘れたくない。私はあの日々を忘れない。
最初の1ヶ月、特に、2週間目から1ヶ月経つまでの頃は本当に辛かった。
なんで留学しているんだろ?日本の友達が公務員試験やグループ面接を日々こなす中、生活リズム崩壊させて16:00まで寝てて何してるんだろ?
親に金銭的負担をかけてまでなんでここに来たんだろう。
何かしなきゃ、「友達」を作らなきゃ、できれば「イギリス人」の友達が欲しい。
インスタやフェイスブックを5分ごとにチェックしながら、「ともだち」全員への嫉妬と劣等感だけを燃やしていた。
やることが何もなくて、いや、やることを作り出す気力がなくて、毎週末引きこもってた。金曜の20:00から、日曜の10:00まで、ベッドを出ず何も食べなかったことも何回かあった。「弱い」という形容詞はこういう感覚か、と思った。
そのときの気持ちを言葉に起こしたかったし、できればブログか自分のノートに書き取っておきたかった。でも、そんなことをする元気がないからずっと寝転がっているのだ。実は、学部生留学のミソは、この引きこもってる時の自己嫌悪とぐちゃぐちゃした無気力であって、「留学☆最高」はおまけなんじゃないだろうか、と自己保身からか、思っていた。
その底辺から脱した直後に書いたのが陽キャが云々のブログエントリだ。
そこからさらに40日が経って、引きこもってた、悲しかった、寂しかったという事実は覚えているけれども、底辺だなと思っていた時の生の感情は全く思い出せなくなってしまった。
私は帰ったら「ロンドン、大好き!」というだろう。でも、その前にあの日々があったことは忘れたくない。